体験記録

好きな事もイヤな事も書いてく。見たまま感じるままに。

(ドラクエ風)嫁と二人でお買い物

今朝は空気が澄んでいた。

昨日の夜に吹いていた風が汚れた空気をさらってくれた。いつもは白くかすんで見えない山並みも今日ははっきりと見えている。今日は暑くなりそうだ。そう思いながら見上げた空には薄い雲に透けて青い空が広がっていた。パジャマを着替えて外に出た俺はその心地よい空気の中にいた。


不意に誰かの声が聞こえてきた。ようやく子供達が起きただろうか。寝起きでまだ頭がボーッとしている。再び声が聞こえてきた。どうやら嫁が呼んでいるようだ。何んだろな?とまだ思っていると、また声が聞こえてきた。


掃除機かけてっ!

  「さっそくかい!?」


家に上がると子供達は起きており早速ゲームだ。2人の子供に今日は隣り街までお買い物に行くことを伝えると家で待っているとの返事だった。行こうとしている街はここからだと距離が有り、歩いて行くには辛いため馬車を使って行く。5人まで乗れるこの馬車だが冒険をするパーティーの編成数はなぜか4人までと決められているため5人乗ったことはない。いつもは4人パーティーで行動する俺たちだが今日は2人だけで向かうことにした。宿の1階のカウンターで二人の仲間に一時の別れを告げた。


目的の街までは1時間位だ。その街までは隣接する町の境界線を兼ねている川を超え、草原を進み原住民が住む集落を過ぎれば見えてくる。

注意すべきはこの原住民地帯だろう。奴らは非好意的なので気づかれれば襲われかねない。俺達は村を出て道伝いに進んで行った。この村の周りにも多数のモンスターが棲息しているのだが、脅威となるような猛獣系や暴走系やら〇〇組系のような近所迷惑な奴らは棲息していない。


俺達は川にかかる橋まで来た。橋のほとりで門番をする衛兵に小遣い程度のお金を渡し橋を通過させてもらう。そこからしばらく走ると現れ出した!

人型モンスター、原住民どもだ!。

小悪魔系やら草食系だのいろんな種類がいてどこへ行くのかふらふらしている。なるべく目立たないようにしなければ。俺達は奴らに見つからないように安全運転で進んで行った。


無事に集落を抜けると間も無くその街に到着した。ゲートをくぐり3階の広間に馬車を止めたら動く階段を降りて街へと入った。そこは活気に満ちあふれていて沢山の旅人が訪れていた。俺達はまず2階から探索を開始することにした

街の真ん中の通路の1本外側を歩いていると一緒に来た嫁が街の人に話し掛けだした。

その女性は親切にその物の売り場を教えてくれた。どうやら目当ての物の在りかを聞いていたようだ。反対方向に向かっていた俺達はきびすを返しその売り場へと向かう。


そこは最初に降りてきた動く階段を周り込んだ所にある雑貨屋だった。ここには冒険に役立つどうぐが色々と陳列されていた。

この店には特に用のない俺は何か珍しい物はないかと物色をしていた。すると俺はその物を見つけた!

近くまで来なければ気づかなかったであろう。この店のレジカウンターの後ろに宝箱があったのだ!

俺はそのレジカウンターの後ろに周り込み早速、開けてみた。その中には欲しかった水筒が入っていた!

俺たちは水筒を手に入れた。


雑貨屋を離れ、道伝いに歩いているとたくさんの空きベットが陳列されているお店に着いた。そこには俺達より先に入った数名の旅人がいたがまだ空きはあるようだ。もし帰りが遅くなるようなら今日はここに泊まろう。

宿屋を出た俺たちが次に向かったのは防具屋だ。その店は品揃えが豊富だ。

頭部を保護する兜やら、「すばやさ」を高めてくれるブーツや、のろいから身を守ってくれそうなアクセサリーまで何でも揃いそうだった。

その店には前々から俺が欲しかった「無敵のズボン」も売っていたが特に値下げもしてなかったので買うのはあきらめた。

大体、一周りした俺達は次は1階のフロアーへと降りて行った。

ちょうど階段を降りたところの正面に太い柱が有り、そこにはなんと!

宝の有りかを示す地図が貼り付けられていた!


俺達は「宝の地図」を手に入れた。

すかさず俺達はその地図が示す場所へと向かった。その場所は街の外、裏通りにある空き地を示している。途中で嫁が、「あんた一人で行っといで」と言うので俺は今、一人でそこへと向かっている。

別行動となった嫁は食料品を販売している店の並ぶ方へと歩いて行った。俺は若干ウキウキしながら街の外れへと続くその道を進んで行く。なかなか目的も無くそんな裏通りには行くことはない。もし、この地図を手に入れていなければ俺がその場所に辿り着くことはなかったであろう。

街の外に出るとすぐにそれを発見した。ゲートを出て右手の外壁に一箇所くぼんだ所がありそこには沢山の宝箱が並んでいた。俺はその宝箱を守っているおババに話し掛けた。

スクラッチーを10枚。

俺は2,000ゴールドを支払った。お宝を手に入れた俺は嫁と合流すべく食料コーナーへと入って行った。迷路のようなその場所をキョロキョロしながら歩き周る。だいぶ先に進んでいるようだった。嫁を捜しつつも、甘党である俺はデザートコーナーに寄り道。割安なおいしいケーキを手に取りまた歩くとお菓子コーナーの辺でやっと発見。嫁の持つカゴにはすでに一週間分の食料が詰め込まれていた。俺はそのカゴの中にそっと、おいしいケーキを忍ばせた。大体、一周した俺達はレジカウンターへと行き、買ったものをふくろに詰め込み車へと戻った。


嫁の水筒も買えたことだし俺達は満足してイーオンの街を後にした。


日曜日、今日の朝食は喫茶店のモーニング

久しぶりのモーニング。

モーニングとは主に喫茶店で行われているサービス。

コーヒー代(ドリンク代)だけで、トーストとゆで卵とサラダも食べれちゃうお得なメニューだ。


行き先は星乃珈琲店。

ここのコーヒーは好きだ。

ブレンドもいいが炭火焙煎のやつがおいしい。

家から10分位でお店に着いたが駐車場には他に車が一台もいない。

まだ準備中だった。

9時から営業開始だそうな。

あと30分は待てない。


行ったことはないが、ここまで車で来た道沿いに見つけた喫茶店に行くことにした。


客とおぼしき車が数台その喫茶店の駐車場に停まっていた。

どうやらオープンしてそうだ。

その喫茶店のカンバンには珈琲農園と書かれていたのでコーヒーをうりにしてそうな店だからきっとコーヒーは美味しい。



店内へと入り注文。

全部で3種類のモーニングメニューを頼んだ。


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コーヒーを待つ間、この店の取り組みを紹介しているパンフレットが置いてあったので読む。


ネパールでコーヒー農家を営んでいる現地の人達やそれに携わる人達は、コーヒーを売ってもその対価に正当な報酬が得られていないそうで貧しい生活を強いられていると書かれていた。


そこで、この店の経営者はフェアトレードの取引きでネパールで7年間を費やして農家の人達に現地指導しながらお互いに協力し合い農園を築いたそうだ。

苗を植えることから、この店での焙煎に至る全行程を築いたらしい。

その農園で働く現地の人は労働量などに応じた適正な報酬を受け取ることができたことで、子供を学校に通わせることが出来るようになったり、水道をひいたり、今まではなかったトイレも設置することが出来たと書かれていた。

いい話だな〜。

こういうの好き。

そこに書かれていたことでもう一つ、感銘を受けたことがあった。

それは、決められた時間をただ働かせるだけでは良い結果に結び付かないこと。

手抜きが起きれば均一でバラツキの小さい良質なコーヒーは作られない

大事なことは、労働者自身が良いものを作りたいとゆう意識を持ち作業をすることだ。


本当にその通りだと思う。


そして、

その農園ではそれが実現できたのだろう。

その農園の経営者は、今ではネパールの国が指定する重要外国人10人の内の一人になっているそうでネパールの他の地域にも農園の指導の依頼が来ているそうだ。



注文したコーヒーが届いた。

俺は早速、一口飲む。

う〜〜ん。

まあ、まあって感じだった。

女性は好きそうだ。

エスプレッソを好む俺には物足りない味わい。

ただ、あまり記憶にはないコーヒーの味だった。

ずば抜けて美味しいとは思わなかったが、他にも変わった特徴が書かれたコーヒーメニューもあるのでまた今度来ようと思う。


その店のなまえは確かモルカフェ。

盛るカフェ?と想像しそうになる。

日本人ウケしないネーミングな気がするが、この名も何かこだわりがあるのだろうか?。


なかなかいい話も読むことが出来たし、

いい時間を過ごせた。




夏休み恒例の「朝のラジオ体操」が始まった。

ラジオ体操の会場となる公園までは1km以上あるし朝も早いので歩きはつらい。
だから公園までは自転車で行く。

子供達だけで自転車で行かせるのは心配なので俺も付いて行った。
昨日、俺が会社から帰ると嫁の開口一番が「明日の朝、子供達送ってってよ。ラジオ体操に」だった。
何時から?と嫁に聞くと、「6時15分からだから6時に起きれば間に合うよ」
俺が「え〜っ!」と愚図ると嫁は続けて言った。「みんなお父さんが連れて行くんだよ」
本当かよ?まんまと俺を騙して行かせようとしてるんじゃないの?
とは思ったが、今は嫁も働きに出ているのでこの負荷は俺がおとなしく引き受けることにした。
なんか朝からひと仕事あるようでヤだっが、子供達の為だからがんばることに決めた。

朝が早いから昨日の夜は子供達を早く寝かそうとしたが結局いつもと変わらない時間の就寝だった。
よって、今朝は起きれない子供達が寝ている布団を強引に奪って起こす羽目になった。
なかなか起きようとしないのでしょうがない。
敷き布団を引っぱり取られた子供達は、コロコロと畳の上へと転がされ、ようやく諦めて起きた。
時刻は6時10分。
15分からなので今すぐ出発しないともう間に合わない時間だった!
ラジオ体操なんか5分で終わってしまうので遅刻は許されない。
「早くしろ!もう間に合わないぞ!」と子供達を急かしていると、嫁が言った。
「6時半からだけどね」
え"〜っ!?
昨日15分って言ってたじゃん!
15分に行ければその方がいいよぉー!
と言う嫁。
嫁は、開始時間から15分も早い時間を俺達に教えていたのだ。
朝が苦手な俺達のことをよく分かっていらっしゃる。
それでももう出発していかないと本当に遅刻しまうので子供達を急かす。

すぐに着替えて外に出るように子供達に言ってから、自分は先に外に出て自転車を出してスタンバった。

上の子が先に出て来て「先に行くよ」と言って出発する。
安全運転の監視の為、一緒に行動したかったがやむを得ない。

上の子に1分遅れて娘も出て来た。
「早く行くぞ!」と急かして2人で出発。
娘は先に出発した上の子に追いつくため、出始めから早いスピードで自転車をこぎだした。
自転車は早くて楽な乗り物だと思っていたのだが歳も重ねると自転車を漕ぐのもけっこうキツくなってくるのだ。
娘は俺のことなど気にせずどんどん先に進んで行った。まだ家を出発した直後なのに早くも30メートル近く差が開いていた。
もう追いつけない。
俺はすぐに諦めた。
これでは何の為に一緒に行くのか分からない。と思った。

無事、始まりの5分前に到着。
公園内を見渡すと8割位はお父さんっぽい人で、奥さんっぽい人は2〜3人だった。
昨日の嫁の言う通りだった。

ラジオ体操が終わると、出欠確認と同時にポッキンアイスが子供達に振る舞われた。

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俺が子供の頃はラジオ体操の後にそんなご褒美などなかった。
気の利く時代になったもんだ。

アイスをもらうと、みんな一斉に帰っていく。

またしても俺は子供達において行かれてしまった!

もう明日は子供達だけで行ってもらおう。

体力の差と悪気のない無情を憶えながら子供達の親離れと成長を実感した朝の出来事でした。


















家の庭にあった『荒れ地』のその後は、

荒れ地は、今や荒れ地ではなくなっている。


雑草モンスターどもを退治した甲斐があり今ではたくさんの実をつける植物が育っているのだ。

キュウリにミニトマトにナスやピーマンにオクラにパプリカ。


夏野菜でてんこ盛り。


どの野菜もすぐに成長するので、ほぼ毎日収穫しないといけない。


特にキュウリはちょっと放っておくとどんどん太くなっていく。そうなると、もはやキュウリではなくウリだ。キュウリ特有のシャキッとした歯ごたえも無くなる。

太く育ってしまったウリはあまり好きではないので食べる気にもなれず廃棄する。


ナスなんかは子供も食べないし食卓にもあまり上がらない。嫁いわくあまり活躍できる時がないそうだ。一応、冷蔵庫には入れておくのだが以前に採ったナスがまだ残っているのでそいつと入れ替えて古いのは捨てる。

この繰り返しだ。


ピーマン!

これこそ皆んな食べない。

栄養満点な緑黄色野菜なので一応は植えておいたのだがこれも減らない。


パプリカ!

畑では大きな実を付けているがその実は緑色をしている!

赤とか黄色になるのではなかったか?

俺はパプリカの苗を買ったはずなのだが全然、色が黄色にならない。

とりあえず様子を見ている。


トマト!

こいつも厄介なほど実を付ける。とても食べきれない。


メロン!

ちょっと植えてみた。

育てるのが難しそうなのであまり期待はしていない。



この様に、不毛だった地は見事に蘇り、

我が家の食卓を彩る野菜達の生産場に生まれ変わっている。


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『ボランティア活動』砂浜にはたくさんのゴミが散乱していました

砂浜のゴミ拾いに参加してきた。


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時間は朝10時から11時までの1時間だけ。

きっと子供達にも良い経験になるはずだ。

会場となる海までは家からだと1時間15分位なのでちょっとしたドライブになる。天気もよかった。


家を出発してから45分ほど走ると海が見えてきた。久しぶりの海だ。

海岸線を走りながら見下ろした海は雄大で、遠くに水平線が見える。

その道で窓を開けながら風を受けて走るのは気分爽快だった。


目的地の近くまで来ると海岸沿いの路肩に車が列になって停車していた。駐車場がないので皆んな路上停車しているのだ。俺はその最後尾に車をつける。

俺達よりも早く来た人達に遅れた分だけ会場まで歩く距離も長くなるが予定通り集合時間の10分前に到着出来たので丁度よい。

の音と爽やかな風が吹き付ける海岸沿いの歩道を家族で歩いていると何だか気分が良く心が洗われるようだった。


会場に着き係りの人からゴミ袋を受け取るとさっそく砂浜に出てゴミ拾いを開始。

ここではペットボトルのキャップやビンカンを分別して集める。

その他も拾うものは人工物のみだ。


ゴミは波打ち極から20メートルくらい離れた所に特に集中していた。

俺がイメージしていた砂浜のゴミ拾いは歩きながら落ちているゴミを拾っていくものだったが実際にはほとんど移動しない範囲でずっと拾っていた。

いろんなゴミがある。

ビニールやひも、キャップにサンダル、ペットボトルに砕けた発泡スチールにタイヤの破片にマネキンのケツの部分。特に発泡スチールは粉々に散らかっていて拾うのが大変だった。

これらのゴミをスナメリなどの動物がエサと間違えて食べてしまうので海はキレイにしないといけない。


俺達は黙々とゴミを拾った。

切りがない位のゴミの量だ。

結構大きなゴミ袋だったが直ぐにいっぱいになった。下の娘は一緒になって楽しそうに拾っていたが、上の子は波打ち際で海を眺めていたり平らな石を探して歩き、ゴミを集めようとしなかった。上の子の好奇心はゴミ拾いよりも海に向けられていた。

子供にはいろんな体験をさせそこで何かを感じたり、思い、考えてほしい。何を思っていたかは知らないが家で一日中ゲームをやっているよりはマシだ。

でも、せめてこの惨状だけは見せなければならない。海にはたくさんのゴミが散らかっているということ。そしてそのゴミは何処からやってくるのか?と疑問を感じてほしいと思う。


あっという間の1時間だった。

皆んなで拾い集めたゴミの量は50袋位あった。

ほんの少しだけど海はキレイになった。


帰り際、係りの人からマックの500円カードを3枚もらえた。それとギフトカード2000円もくれた。


これでは、もはやボランティアではなく割のいいバイトだ。



けっこう有意義な時間を過ごせたと思う。

マック券ももらったし楽しかった。

また今度来ようと思う。

マック券をもらいに。


じゃなくて海の掃除に。





















子供の誕生日

本当にいつのまにか大きくなったよ。

うれしいけど寂しい。

その気持ちは親になるとわかる感情だ。


自分の子供への愛着度合いは人それぞれに違う。俺の場合はかなり関心を持つ方だ。例えば子供の発言内容や表情や行動。特別なことではなくただの日常の過ごし方一つ一つの全てが俺には大切な一瞬なのだ。

子供が何かに興味を抱いて自分で考えたり行動している姿は思わず見守らずにはいられない。


世の中には子供に無関心な親もいると思う。そんな親は親ではないし許せない。逆に子供に過保護な親もいるだろう。

情報過多というのか便利になったと考えるべきなのかは迷うが、近隣や校区で起きた不審な出来事はすぐに情報が入ってくるし親達はそういう情報に過敏に反応してしまう。それが結局、過保護にもさせてしまう要因になっているんだと思う。

学校も気を使っており、下校時はなるべく一人では帰らないようにと教えている。賛成ではあるものの、それは余計に不安を煽ってしまうことにもなっているのだ。

子供達は、それが意図することが何なのかは知らない。というか実感は湧かない。親達はただ、その物騒から退けるために注意を即そうとする。子供がお友達の家に自転車で行こうとすればいろんな懸念が浮かび心配になってしまう。

俺が子供の頃を思い出してみると、しょっちゅう子供だけで自転車で出かけていたし暗くなるまで公園で遊んでいたりしていた。あの頃は今ほど物騒でも無かったかもしれないが、単純に今ほど情報も得られなかったから親の心配も少なかっただけかもしれない。どっちにしても今の子供達にはそういう自由がなくなっていると思う。


だいぶ脱線してしまった。

書こうとしていたことと書いたことが全然違うのだ。

今日は子供がお誕生日なのだ。

お昼に、お祝いにブロンコビリーに食事に出かけたのだ。

お誕生日のお祝いハガキも持っていった。

家族は皆、ハンバーグ。

美味しかったし色々と楽しく過ごすことが出来ました。

これも俺の大切な一瞬でした。


(ドラクエ風)楽だと思ってた研修が結構苦痛だった

2日間の研修に行ってきた。月曜日はお休みを取ったので今週は2回しか自分の仕事場には行かなくて済んだ。

ムッフッフ。


研修は木曜日の朝から始まった。その中身とは、イスに座って講師の話を1日中ただ聞くだけ。楽ちんに思えるがず〜と座りながら丸1日過ごすのは想像以上にキツイのだ。

思い返せば過酷な2日間だった。

慣れない俺には苦痛極まりなかった。


その2日目の研修のことだ。

その山は北東の方角にあり、ここからだと8時間は歩かないと着かない。


この2日間の修行の旅には一人で行くため俺以外の3人は家に残すことになる。一時の別れの挨拶を交わし俺は旅だった。


歩いて行けば1日掛かる距離だが、俺には愛用の馬車があるので、それで行けば1時間ちょっとで到着できるだろう。俺はその馬車に颯爽と乗り込んだ。


乗り込んだ馬車を操ってくれる馭者は雇っていないので自分で操縦することになる。

俺は家の敷地を出るといつもとは反対方向に進んで行った。


馬車の中は快適だった。座り心地の良いラグジュアリーシートの上で馬車特有の振動に気持ちよく揺られ、爽やかな森林の香りが混ざった空気が風となって打ちつける。

俺は高速で馬車を走らせた。

遠くに見えていたその山がもう目の前に迫っていた。その山のふもとの所に見えてきた。


試練の塔!

俺の目的地だった。


その塔は元々、教育熱心な一人の教員によって建設された学院だった。全部で8の階層からなる複層帯を形成しており天上に向かってそびえ立っている。かつては多くの学院生がそこで教育を受けていたのだが、いつからか魔物が棲みつき廃墟の塔と化してしまっていた。

俺はそこには何度か訪れたことがあった。

塔の中はその時に探索しているのでここにある宝箱は入手済みだ。俺は馬車から降りると歩いて塔へと向かった。


塔への入口に着いた俺は鍵を取り出す。この入口の扉にはロックが掛けられており先ずそのロックの解除が必要になる。俺は入手済みの「まほうの鍵」をつかった。すると、ピッ!という音と共にロックが解除された。扉が開き塔の中に入ると薄暗い通路が真っ直ぐに伸びている。天井には照明器具が備えられていたがほとんど使われていないようだった。薄暗いその通路を進んで行くと広間になっており周囲の壁には透明なガラス張りの小窓がいくつもあった。ここにある照明具も使われてなく小窓から差し込む陽の光だけがこの広間の明かりになっていた。


小窓から最っも離れている広間の中央付近は特に薄暗くなっていて殆ど光が届いていない。

俺がその方向に向かって歩いているとその暗闇の中で、黒い影が動くのが見えた。

立ち止まって目を凝らしてみるとそこには闇に紛れ込むように数匹のモンスターが徘徊していた!


見たことのない奴らだった。

その中の一匹がこっちに向かって来る!俺は臨戦態勢を整え攻撃に備えた。するとそいつがすぐ近くまで来たところで俺は拍子抜けする。その知らないモンスターは、まだこちらに気づいていなかった。

俺の横を素通りしていったのだ。


俺の口から安堵の息が漏れる。

戦闘を避けることができた俺は他の奴らにも見つからないように気配を殺しながら歩き、上の階層へと昇ることができる昇降機の扉の前へと辿りついた。

するとその扉にも入口と同じロックが掛けられていた。

なかなかハイテクな塔だ!

俺は再び「まほうの鍵」をピッとやって中へ入り一気に5階のフロアーへと上がっていった。


昇降機を降りるとそこには左右に伸びる通路があり、その通路沿には3つの扉が見えた。それらの扉はそれぞれの玄室へと通じているのだが俺が用があるのはその真ん中にある玄室だ。そしてそこに巣食うボスを倒すのだ。俺は気を落ち着け、呼吸を整えるとその玄室へと入っていった。


その玄室の中は静寂に包まれ、生暖かい空気が漂っていた。出入り口となるのはこの一箇所のみとなり周囲はすべて外壁に覆われている。この部屋の中は完全に密室状態となっており空気が止まっていた。その中で、俺は何かが息を殺して潜む気配に気が付いた。隠そうとしているそのわずかな気配だが、それは一つではなかった。その中でも最っも大きな気がその部屋の奥から発っせられていた。まるで炎から湧きでる煙りのように立ち昇っているその場所に、教台が置かれたその向こう側にそいつは座っていた。





魔教師イマイズミが現れた!


魔教師イマイズミは様子をみている。イスに腰掛けたまま動かない。俺も腰掛けたままで動かない。お互いが無言のままに対峙している。お互いが相手の手の内を探り合い、攻め方と勝ち方を模索している。


その玄室には、そいつ以外に俺よりも早くこの玄室に入り俺と同じ目的でここに来たと思われる人間が数名いた。部屋に入ったときに感じた複数の気配の正体は彼らだった。知らない奴らだが、まず味方と思って良さそうだ。彼らも同じように動かない。

すると突然!

玄室内に鐘の音が響きわたった!

塔の何処かにある鐘が俺たちを戦場へと誘う。魔教師イマイズミはその鐘の音と同時に動き出し俺達の前に立ちはだかった!


魔教師イマイズミの攻撃。

「健康とはどういう状態のことを言いますか?」

俺の攻撃。

「病気でない状態」

知らない仲間の攻撃

「 元気なこと」

正解は、心身ともに良い状態であり、社会的にも良好である状態のことを言います。


俺は40のダメージを受けた!

知らない仲間は70のダメージを受けた!


魔教師イマイズミの攻撃

成人病と呼ばれている心筋梗塞など、その原因は生活習慣病から引き起こされている。では、それにはどんなことがあるか?」

知らない仲間の攻撃

「睡眠不足」


正解は運動不足や、喫煙、飲酒、など不適切な食生活や習慣が引き金となって起こる病気です。


知らない仲間は100のダメージを受けた!

攻撃に反撃。激しい攻防がつづいていく。


魔教師イマイズミの攻撃

「第3章の所を最初から読んでください。」

ゲッ!読むの!?。人前で読むのが苦手な俺には「つうこんのいちげき」となった。俺は170のダメージを受けた。こいつは結構な強敵だ!。この戦闘は長期戦となりそうだ。正午を過ぎ、俺のHPはだいぶ減らされていた。一旦、攻撃を中断し俺はベホイミで自分の体力を回復させた。敵もまだHPには余裕がありそうだった。

後半戦に入り、心なしか敵の攻撃が弱くなった気がした。最初の戦闘が始まりすでに5時間が経過している。不意に、俺に強い眠気がおそってきた!どんどん眠くなっていく。

油断したっ!

敵がラリホーの呪文を唱え、魔界から睡魔を呼び寄せていたのだ!

寝てはダメだ!

俺はその睡魔との戦いになる。

睡魔の中でも人間に好意的な奴もいれば、兇悪的で人に危害を誘発させるヤツもいる。

今、襲ってくるこいつは後者だった!


他の仲間たちは無事なのか?

気になった俺は、フッと隣に座っている奴を見る。

すると、

そいつはすでに寝ていた。

顔は正面を向いているが目は閉じており明らかに寝ている。

もろバレじゃねーかと思った。


俺はなんとかその眠気に耐えた。眠りはしないがボーッとしていて集中力がなくなっていく。そこへ奴は再びラリホーの呪文を唱えてきた。

俺はかなりねむくなった。


眠気をこらえながら眠りにつく昼寝ほど、心地よいものはない・・






何かの物音がして俺は目が覚めた。いつの間にか眠ってしまったようだ。どうやらこいつはラリホーを得意とするモンスターのようだ。その得意呪文を後半戦まで温存していたとすれば知能にも優れていると考えざるをえない。

やはり他の雑魚モンスターとは違う。一旦は目が覚めた俺だがまだラリホーの効果は完全に抜け切れていなかった。すぐにまた眠くなっていく。俺は思った。ここにもし嫁がいてくれれば強力な攻撃魔法で俺たちを後方から支援してくれたことだろう。しかも俺よりレベルは上だ。そう考えていたら俺はある事に気が付いた。


そういえば今日は金曜日だ!

あと1時間ガマンすれば明日はお休みではないか!

俺の中に力が湧いてきて目が覚めていく。

あと少し!

このラリホー野郎を倒し早くお家に帰るのだ!俺は活力を取り戻した。

睡魔を撃退した。


残り30分。奴にも疲労が溜まってきたようだ。動きが鈍くなっている。根気の勝負だった。奴がしゃべればしゃべるほどこっちは眠くなっていく。その誘惑は強烈だった。こっちもずっと座りっぱなしで対応していたためこの姿勢にももう限界がきていた。それでも奴はしゃべり続ける。何というヤツだ!その攻撃への執着。間違いなく今まで戦ったモンスターの中で最強!

残り5分。

俺は耐え、耐え抜いた。そして、ついに終わりの時がきたのだ。ヤツももう限界にきている。立っているのもやっとのようだ。もはや何を言っているのかもよく分からない。

そして・・・

最終ページが今、閉じられた。魔教師イマイズミは力尽きた。

魔教師イマイズミをたおした。

俺のレベルが一気に3レベ上がった。



深いため息が漏れた。やっと終わったのだ。長い戦いに俺はいつも以上に疲れを感じていた。今日も無事にすごせたことに感謝して俺は馬車へと戻り帰路についた。


今日が金曜日でよかった。

俺は心からそう思った。